craftsmanship

匠の技

すべてはお客様に最幸(最高の幸せ)を提供するために——1964年の創業以来、私たち丸菱工業はこの言葉を胸に技術力を磨き、最高レベルの安全性と快適性を兼ね備えた自動車シートを製造してきました。
実に170以上の国や地域の人々がハンドルを握ってきた4WDの名車「三菱・パジェロ」のシートは100%丸菱工業製。私たちの確かな技術は、世界中のお客様から高く評価されています。

丸菱工業だからできる技

シート製造の最終工程を自社工場で完結

自動車シートは①骨組みとなるフレーム②クッションの役割を果たすフォームパッド③人の体に直接触れるトリムカバー——の3つのパーツで構成されています。
丸菱工業では、そのすべてのパーツの生産工程に熟練の技を持つプロフェッショナルを配置。生産に関わるすべての工程を自社で完結させることが可能です。また、生産の前段階となる設計・開発から、生産・検査に至るまでの体制も整えています。

リクエストに応える納品形態

完成した自動車シートは、取引先の自動車メーカー様へ納品。そこで車体への取り付け作業が行われ、自動車が出来上がります。丸菱工業では、メーカー様の作業負担を減らすため、納品方法にもこだわりました。
自動車メーカーの作業手順に合わせて実際の自動車と同じ配置でトラックに積み込む、序列体制を自動車メーカーと共同で確立したのです。荷物を下ろしたら、そのまま車体に取り付けられるだけ。お客様からは「ムダな作業や人員の省力化につながった」と、高い評価を得ています。

機械よりも速くて正確な手作業

シート製造の最終工程となる生産ラインでは、スタッフたちが黙々と作業を行っています。
今どきの工場と言えば、オートメーション化は当たり前の話。もちろん丸菱工業の工場内でも機械化は進んでいますが、最後の仕上げだけは手作業なのです。その理由は、車の部品の中でお客様が一番長い時間触れているシートを作るなら、人の手で仕上げたいから。
創業から培ってきた匠の技を受け継いだスタッフたちが、ひとつひとつ丁寧に品質の高いシートを作っています。

社員の声を生かしたカイゼン力

1964年の創業以来、ものづくりの技術とともに丸菱工業の伝統として脈々と息づいているのが「チャレンジャー精神」。よいと思ったことには、積極的に取り組んできました。
そんな丸菱工業イズムが体現されているのが、毎日のようにある現場からのカイゼン提案。少しでも効率的に作業を行うため、さまざまなスタッフからさまざまな意見が出てきます。ほんのわずかな努力がクオリティの高い製品を生み出す源となっているのです。

丸菱工業の歴史とシート製造技術の変遷

私たち丸菱工業が創立されたのは1964年5月のこと。三菱重工業名古屋自動車製作所の協力工場として、自動車シートの製造を始めました。
それから半世紀以上——。私たちは時代や車種に合わせ、その時にできうる最高レベルの技術を用い、最高レベルの安全性と機能性を兼ね備えた自動車シートを作り続けてまいりました。

三菱ジープ シート

(1953年 ~ 1998年)

1953年から生産が終了する1998年(販売終了は2001年)まで生産していた三菱ジープに搭載されたシートです。

当社にとっては初の四輪車のシート生産であり、自動車用シートの生産に本格参入した記念すべきシートです。

また、このときに得た技術ノウハウが後のパジェロやデリカD5、ローザのシート開発や生産に生かされました。

左写真はJ53ジープのシートです。

初代パジェロ シート

(1982年 ~ 1990年)

1982年に4ナンバーの小型貨物車としてデビューした初代パジェロに搭載されたシートです。

国産クロカン4WD車では国内初の サスペンションシートが採用され話題になりました。

そして1年後の1983年には待望の5ナンバーワゴンが追加され、搭載されたのが右写真のベロア生地を採用した1983年式シートです。

その後、本革シートやウール&本革シート、シートヒーター装備など高級志向で進化しました。   

2代目パジェロ シート

(1991年 ~ 1998年)

1991年にフルモデルチェンジした2代目パジェロに搭載されたシートで、当社の歴代最多の生産量を誇るシートです。

初代パジェロ用シートよりも高級化志向が進み、快適装備であるアームレストやランバー&サイドサポートが追加され、更に高級乗用車に採用されていた4Wayパワーシートも採用されました。

生地や色のバリエーションも豊富でユーザーのニーズに応えました。

左写真は1991年式 の本革シートです。  

3代目パジェロ シート

(1999年 ~ 2005年)

1999年にフルモデルチェンジした3代目パジェロに搭載されたシートです。

ロングボデーには2代目パジェロの高級志向を踏襲したラグジュアリーシートを搭載し、ショートボデーにはサポート性の優れた表皮接着成型のスポーツシートを搭載しました。

右写真は1999年式ロングボデー用の本革パワーシートです。  

4代目パジェロ シート

(2006年~)

2006年に「オールラウンド・プレミアム」のコンセプトで誕生した4代目パジェロに搭載されたシートです。

ゆったりしたサイズに適度なサポート性をもった先代モデルの良さを踏襲しつつ、更なる座り心地の改善と質感の向上を図りました。

左写真は2006年式の本革パワーシートです。